2018年9月3日月曜日

縄文の夏、そして遺跡へ

2ヶ月間にわたり開催された上野での縄文展。最終入場者数は聞いて見ないとわからないのですが、閉会数日前には30万人を越え、大方の予想を裏切り、大成功に終わったのではないかと思います。会場に訪れた方々は、本当のところ老若男女。縄文女子ばかりでも縄文おじさんばかりでもありません。これこそ良い傾向なのではないかと僕は思っています。
縄文zineとしてもいくつもメディアに出てその集客と宣伝に多少なりとも貢献して、ついでに、縄文zineの宣伝もできて、かつての森と縄文人のようにwin−winの関係が築くことができたのではないかとも思っています。関係者のみなさま、そして一緒になって盛り上げてくれた縄文好きのみなさん(withオレ)、お疲れ様です。打ち上げ会場はどこですか?

さて、縄文展が終わり、上野に集結した国宝や各地の名品は、願いを叶えた後の神龍のようにバラバラになり各地に散って行きました。
ブームの真価が問われるのはこれからです。ひと夏の祭りは終わり、「縄文ワッショイ(©️山田康弘)」はひと段落。縄文界隈は平穏を取り戻し静かな日常が戻ってきて、祭りの後はなんだかさみしいなぁなんて言いながら冬支度をそろそろと始める。では、たんなる思い出づくりと変わりません。トーハクの展示は縄文時代の面白さの入り口です。せっかくとば口に立っている人がたくさんいるわけですから、今こそ地方の考古館に来てもらいましょう。本当の面白さは地元に行ってみないとわかりません。そんなこと言わずもがな当たり前って話でしょうけど。
縄文zineはデザイン事務所で、まあまあ悪くない仕事しますし、縄文時代に対する「好き」は再三度外視で雑誌を出し続けるほどにありますし、縄文を盛り上げるアイデアは(自分で言うのはなんですが)なかなか豊富です。考古館・博物館のみなさん、ぜひ何かしらご依頼ください。一緒に地元を盛り上げていけたらほんとうれしいです。

縄文展を見に行って「思ったよりすごかった」、「なんだか不思議」、「縄文ナーメテーター」と思ったみなさん、もう少しだけ深掘りして見ませんか?
まずは上野で見たあのお気に入りの土器や土偶のふるさとの考古館や博物館を見てみませんか。 縄文は地元ラブな文化です。その土器の生まれた土地とその土器は、密接な関係があります。行ってみたらこの土地にしてこの土偶ありと必ず思うはずです。上野の居心地が悪かったわけじゃないでしょうが、出張していたスターたちも地元では兄弟や仲間というべき考古資料に囲まれずいぶんとのびのびとすごしています。
そもそも上野には今回来ていない地域のモノもあります。だからといってすごくないわけでは全然なく、かねてからの縄文好きのあいだでも「えっあそこのあれが来ていないの?」とささやかれるくらいのものは全然たくさんありますし、今回の縄文展が日本代表だとしても、裏代表が何チームも作れるほどTATEANA JAPANの選手層は豊富なのです。

さらに一歩進んで遺跡に行ってみるというのもおススメです。考古館のとなりにある復元住居やきれいに整備されている遺跡公園なんかもいいんですが、縄文遺跡のほとんどが何もない遺跡です。何もないところをオススメするのも気がひけるものですが、これがどうしてなかなかに行ってみたら人それぞれ面白さが見つかったりするものなのです。
現在は各自治体ごとに遺跡地図(埋蔵文化財包蔵地)がネットなどで閲覧できるのですが、自治体ごとにそのレベルがちがったり、全然探せないところも多くそういう点では難易度がやや高いのですが、これもきっと近い将来全国的なものができるのではと期待しています。
考古館や博物館では気軽に解説スタッフや、受付の人にいろいろ聞いてみてください。けっこう「ならでは」の話ってあるものですし、話を切り上げるのが大変なほど、みんなたいていは親切です。


縄文時代の楽しみ方は千差万別、アプローチの仕方も人それぞれなので、みなさん好きに楽しんだらいいと思いますが、縄文展ではあまり語られなかったモノの背景や土地との関係なんかは想像の良い材料です。縄文巡り、なかなか楽しい遊びです。


始まりは完全な猛暑だった。


かっこよかった。


今回の展示で一番気の抜けていたもの


藤岡みなみさんと山岡監督