2016年2月24日水曜日

縄文ZINE2号、鋭意作成中です。

10月31日の夜。新宿で中の中くらいの映画を見て初台方面に帰宅する途中、甲州街道と平行に走る水道道路を歩いている時のことでした。後ろからパタパタという早歩きの音とともに「原チャだと白バイはゼッテー振り切れないんだよ、あいつらすげーから。でもPCは簡単だけどな」という声。久しぶりに絵に描いたような意気がったセリフだなと思い、振り向いて見てみると、不良という格好からは程遠いオタクっぽい真面目そうな若者が5、6人長いレンズを付けたカメラを手にして意気揚々と歩いていた。
歩調を少しゆるめ彼らをやりすごし、彼らの後ろ姿を眺めた。一体彼らはなんのグループなのだろう。
しばらく眺めてると彼らは早歩きから本格的に駆け出した。そのうち一人が比較的近くで立ち止まりカメラを三脚にセットし始めた。カメラは水道道路を向いている。水道道路は片側一車線のそれほど広くはない普通の東京の道路だ。その先ではまた別の一人が同じようにカメラをセットしている。さらにその先では3人まとめてカメラをセットしだした。さすがに不思議に思い僕は話しかけてみることにした。
「何を撮っているんですか?」
話しかけられた彼は、急に声をかけられたせいか若干緊張した感で答えを教えてくれた。
「あの、バスの上に出ている行き先表示が、今日で変わるんです。いままではロールの表示だったのが明日から全線電飾の表示になるんです」「それでみんな撮っているわけなんです」
僕は「へーなるほど」と気の抜けた返事をしてその場を後にした。バスの上に出ている行き先表示が変わるということの何が面白いんだかと思うのと同時に、いわゆる縄文好きも『こっちサイド』だなとも思った。
同じ頃渋谷駅周辺、『こっちサイド』ではなく『あっちサイド』では大仮装大会が開催されていて、無自覚無批判没個性集団という正確な意味でのロメロ的な『ゾンビ』がゾンビやスーパーマリオのメイクと格好をしてショッピングモールではなく渋谷のスクランブル交差点の前で群れをなしていた。とにかくすごい人数だ。戦っているわけではないけれどいまのところ勝ち目はない。
がんばれバスの表示、がんばれ縄文!

縄文ZINE2号、鋭意作成中です。
2015.11

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